夏休みの宿題の中でも、特に多くの小学生が悩むのが「日記」です。「今日は何も特別なことがなかった」「何を書けばいいかわからない」と、毎日の日記に苦戦していませんか?
この記事では、日記を楽しく、そして簡単に書けるようになるコツをご紹介します。
目次
なぜ夏休みに日記を書くの?
夏休みの日記は、ただの宿題ではありません。日記を書くことで、文章力や表現力が自然と身につきます。また、楽しかった思い出を振り返ることで、夏休みをより充実したものにできるのです。
さらに、毎日の出来事を記録する習慣は、観察力や考える力を育てます。「今日は何があったかな?」と振り返ることで、小さな発見や気づきを大切にする心が育ちます。将来、読み返した時に「あの時の自分」と出会える宝物にもなります。
日記を書く前の準備
日記をスムーズに書くためには、準備が大切です。以下のアイテムを用意しましょう。
必要なもの
- 日記帳(学校指定のものまたはお気に入りのノート)
- 筆記用具(鉛筆・消しゴム・色ペン)
- その日の出来事をメモしたメモ帳やスマホ
- 写真やチケットなど、思い出の品
書く場所も大切です。静かで落ち着ける場所、明るい照明のある机を選びましょう。テレビを消して集中できる環境を作ることで、スムーズに書き始められます。また、その日のうちに書く習慣をつけると、記憶が新鮮なうちに書けるので、より詳しく書けます。
日記の基本構成を覚えよう
日記には書きやすい「型」があります。この型を覚えれば、何を書けばいいか迷わなくなります。
| 項目 | 内容 | 文字数の目安 |
|---|---|---|
| 天気・日付 | 「○月○日(○曜日)晴れ」 | 1行 |
| 出来事 | その日にあったこと | 100~150字 |
| 気持ち・感想 | 感じたこと、思ったこと | 80~120字 |
| 学んだこと・発見 | 気づいたことや新しく知ったこと | 50~80字 |
低学年(1年生・2年生)
低学年の場合は、短くても大丈夫です。まずは「いつ・どこで・だれと・なにをした」を書くことから始めましょう。
書き方のポイント
- 「楽しかった」「うれしかった」など、気持ちを表す言葉を入れる
- 絵を描いて補足する
- ひらがな中心でOK
例文 「今日は、おじいちゃんの家に行きました。いとこと花火をしました。きれいな花火が見られて、とてもうれしかったです。」
中学年(3年生・4年生)
中学年になったら、もう少し詳しく書いてみましょう。「なぜそう思ったのか」という理由も加えると、より良い日記になります。
書き方のポイント
- 五感(見た・聞いた・触った・においがした・味がした)を使って表現する
- 会話を入れる
- 「〜だから」「〜なので」などの接続詞を使う
例文 「今日は家族でプールに行った。水はとても冷たくて、最初は『つめたい!』と叫んでしまった。でも、泳いでいるうちに慣れてきて、気持ちよかった。弟とどちらが速く泳げるか競争して、僕が勝ったのでうれしかった。」
高学年(5年生・6年生)
高学年では、出来事だけでなく、自分の考えや気づきをしっかり書きましょう。
書き方のポイント
- 比喩表現を使う(「まるで〜のようだ」など)
- 具体的な数字や固有名詞を入れる
- 自分なりの考察や疑問を書く
例文 「今日は図書館で『星の王子さま』を読んだ。『大切なものは目に見えない』という言葉が印象に残った。友だちとの友情も、目には見えないけれど確かにあるものだと思った。この本を書いたサン=テグジュペリは、きっと本当に大切なことを知っていた人なんだと感じた。」

「書くことがない日」の対処法
「今日は何もなかった」と思う日こそ、日記を書くチャンス!以下のテーマで書いてみましょう。
| 書くことがない時のテーマ例 | 具体的な切り口 |
|---|---|
| 天気について | 雲の形、風の音、気温の変化 |
| 家族のこと | 家族の会話、お母さんの料理、ペットの様子 |
| 読んだ本や見たテレビ | 面白かった場面、登場人物の気持ち |
| 季節の変化 | セミの鳴き声、夕焼けの色、花の様子 |
| 自分の気持ち | 明日やりたいこと、最近考えていること |
実は「何もない日」なんて存在しません。朝起きた時の気持ち、食べた物の味、聞こえた音、見た景色など、必ず何かがあります。「特別な出来事」を探すのではなく、いつもの日常の中にある小さな発見を見つけてみましょう。それが日記を書く力になります。
日記を魅力的にする表現テクニック
1. 擬音語・擬態語を使う
「ザーザー雨が降った」「キラキラ光った」など、擬音語や擬態語を使うと、臨場感が出ます。
2. 会話を入れる
「お母さんが『すごいね!』と言ってくれた」のように、実際の会話を入れると、その場の雰囲気が伝わります。
3. 色や数字を具体的に書く
「赤くて大きなスイカ」「30分も並んだ」など、具体的に書くと情景が浮かびます。
4. 比較する
「去年よりも上手に泳げた」「弟よりも早く起きた」など、比較を入れると成長が分かります。
継続するための工夫
夏休みの日記を最後まで書き切るには、習慣化が大切です。
継続のコツ
- 毎日同じ時間に書く(夕食後、寝る前など)
- まとめて書かず、その日のうちに書く
- 写真やチケットを貼って、ビジュアルも楽しむ
- カレンダーにシールを貼って達成感を味わう
- 家族に読んでもらって感想をもらう
日記ネタに困った時の観察ポイント
日記のネタに困る日もあると思います。
そんな時に日記を書きやすくするポイントをいくつか紹介します。
普段は見過ごしてしまうような小さなことでも、意識して観察すると立派な日記のネタになります。一日を朝・昼・夕方・夜に分けて、それぞれの時間帯で起こったことを思い出してみましょう。

| 観察対象 | 注目ポイント |
|---|---|
| 朝 | 目覚めた時の気持ち、朝ごはん、天気 |
| 昼 | どこに行ったか、誰と会ったか、何をしたか |
| 夕方 | 夕焼けの色、夕食の内容、家族の会話 |
| 夜 | 星や月、テレビ番組、明日の予定 |
五感を使って観察することもおすすめです。「見たもの」だけでなく、「聞こえた音」「感じた温度」「においや味」も日記のネタになります。セミの鳴き声、冷たい麦茶の味、エアコンの風など、夏ならではの感覚を記録してみましょう。
親御さんへのアドバイス
お子さんの日記をサポートする際は、以下の点に注意しましょう。
- 「今日は何があった?」と優しく聞いてあげる
- 書いた内容を否定せず、良い点を褒める
- 誤字脱字は最小限の指摘にとどめる
- 無理に長く書かせようとしない
- 一緒に写真を見返して思い出を共有する

まとめ
夏休みの日記は、コツさえつかめば楽しく書けるようになります。大切なのは、完璧を目指さず、自分の気持ちを素直に書くことです。この夏の思い出を、あなただけの言葉で記録してみましょう。日記を書き終えた時、きっと充実した夏休みを過ごせたことに気づくはずです。
毎日少しずつ続けることで、文章力も自然と向上します。楽しかったこと、嬉しかったこと、時には悲しかったことも、全部あなたの大切な思い出です。さあ、今日から日記を書いてみましょう!
