「人権作文…何から始めればいいんだろう」と、ため息をついたことはありませんか?

私が中学生のころ、夏休みの終わり2日前に人権作文の存在を思い出し、半泣きで原稿用紙を前に座った記憶があります。「人権」という言葉の重さに圧倒されて、手が動かなかったんですよね。でも、実はコツさえ押さえてしまえば、今日中に書き終わることは十分できます。この記事では、「とにかく今日終わらせたい!」という人のために、テーマ選びから仕上げまでを順番に解説していきます。


人権作文とは?そもそも何を書けばいい?

まず、最初の壁である「人権って何?」をサクッと整理しましょう。

人権とは、「すべての人が生まれながらに持っている、自由に・安全に・幸せに生きる権利」のことです。難しく聞こえますが、要するに**「誰かが誰かの権利を傷つけている、もしくは傷つけられた体験・ニュース」について、自分はどう思うかを書く作文**なんですね。

法務省の募集要項には「日常の生活の中で得た体験を通じて、基本的人権の重要性について考えたこと」を書くよう明記されています。つまり、壮大な社会問題を論じなくてもいい。自分の身の回りのことで十分なんですよ。

 「人権侵害に気づいた→どう感じたか→これからどうしたいか」この流れが書ければOKです。


テーマの選び方|3つの質問で10分で決める

「テーマが思い浮かばない」という悩みは、実はほぼ全員が通る道です。でも、次の3つの質問に答えるだけで、ほとんどの場合は書けるテーマが見つかります。

質問①:「モヤっとしたこと」はなかったか

  • クラスで誰かが仲間外れにされていた
  • SNSで見知らぬ人への誹謗中傷を見て嫌な気持ちになった
  • テレビで外国人差別のニュースを見て「おかしい」と思った
  • おじいちゃんが電車でつらそうにしているのを誰も助けなかった

どれか1つでも「ちょっとモヤっとした」瞬間があれば、それがテーマになります。

質問②:身近な人で「不便そう」「かわいそう」と思った場面はないか

祖父母と出かけて「エレベーターがなくて大変そうだった」「補聴器があっても聞こえにくそうだった」でも十分です。障害のある方、外国からきた方、お年寄りなど、自分と違う状況の人を見て感じたことはすべてネタになりえます。

質問③:最近見たニュースで「ひどい」「なんで?」と思ったことはないか

いじめによる不登校、SNSでのデマ被害、外国にルーツのある子どもへの差別。ニュースで気になったものがあれば、それを切り口に「自分ならどう思うか」を書けばいいんです。

体験談ゼロでも書ける。実はそれが人権作文のいいところだったりします。


書きやすいテーマ7選|選んだ理由も一言で

テーマが決まらない場合は、以下から選ぶのが最短ルートです。

テーマ選ぶ理由(書きやすさのポイント)
いじめ見た・経験した・ニュースで知った、どれでも書ける
インターネット上の誹謗中傷SNS世代なら全員が「見たことある」
高齢者への差別・無関心祖父母との話で体験談を作りやすい
障がいのある人への差別日常の「気づき」だけで書ける
外国人・外国にルーツのある子どもの差別学校や地域の話で書けることが多い
ジェンダー(性別による差別)「女だから」「男だから」という発言が体験のヒントに
環境問題と将来世代の権利地球温暖化と子どもの権利を絡めると書きやすい

私が実際に生徒に教える際は「いじめか高齢者がダントツで書きやすいですよ」とアドバイスしています。というのも、どちらも「身近に一度は見たことある出来事」から書き始められるからです。書けなかったことが書けるようになった瞬間って、本当に表情が変わるんですよね。


人権作文の構成テンプレート|コピーしてすぐ使える5段型

構成を先に決めてしまうのが、一番早く書き終えるコツです。次の5段構成がどんなテーマにも使えて、最も書きやすい型です。

【第1段:書き出し】テーマとの出会い・きっかけ(全体の約20%)
【第2段:問題提起】「なぜこれが問題なのか」を説明(全体の約20%)
【第3段:調べたこと・知ったこと】データや事実(全体の約20%)
【第4段:体験談・気づき】自分がどう感じたか(全体の約25%)
【第5段:まとめ・これからの行動】自分はどうしたいか(全体の約15%)

文字数別の目安

文字数原稿用紙枚数各段の目安
400字1枚各段80字前後
800字2枚各段160字前後
1,200字3枚各段240字前後
2,000字5枚各段400字前後

学校から「原稿用紙3枚以上」と言われる場合が多いので、1,200字を目安にするといいでしょう。


書き出しのコツ|最初の1文が全てを決める

書き出しで迷う人がとても多いんですが、「体験・場面」から始めるのが最強パターンです。「人権とは〜」という定義から書き始めると、途端につまらなくなります。

書き出しの例文パターン

パターンA:場面描写から始める

「去年の夏、電車の中でおばあさんが重そうな荷物を持ちながら立っているのを見た。誰も席を譲らなかった。私はその光景が、ずっと頭から離れなかった。」

パターンB:疑問・驚きから始める

「なぜ、同じ人間なのに差別されることがあるのだろうか。ニュースで見た外国人差別の記事を読んで、私は長い間その疑問が頭から離れなかった。」

パターンC:ニュースの印象から始める

「クラスで友達がひどい言葉を投げかけられるのを見たとき、私は何も言えなかった。あの日の自分が、今でも少し情けないと思っている。」

どれも「読んだ人が続きを読みたくなる」書き出しですよね。最初の2〜3文が書けてしまえば、あとはテンプレートに沿って書き進めるだけです。


先生が「いい作文」と感じる3つのポイント

これ、意外と誰も教えてくれないんですよね。入賞作品をいくつも読んで気づいた共通点があります。

①「自分の感情の変化」が書かれている

最初は「なんとも思っていなかった」→体験を通じて「こう感じた」→最後に「だからこうしたい」という感情の変化のストーリーが描かれている作文は、読んでいて心に刺さります。先生も人間ですから、感情の動きがある文章の方が印象に残るんです。

②「具体的な場面」が浮かぶ

「差別はいけないと思います」だけでは弱い。「あの日の昼休み、Aさんが一人でお弁当を食べていた。誰も声をかけようとしなかった。」のように、映像が浮かぶ具体的な場面があると、グッと説得力が増します。

③「自分にもできること」で終わっている

「社会が変わらなければいけない」という結論も間違いではないけれど、「自分には声をかけることができる」「知ること・伝えることができる」という自分ごとの行動で締めくくる方が、先生の評価も上がりやすいんですよね。


体験がなくても書ける!ネタ探し3つの方法

「いじめもないし、差別も見たことないし…」という場合も、安心してください。

方法①:ニュースを「自分事」に変換する
最近のニュースで気になったものを選び、「もし自分がそこにいたら」「もし自分が当事者だったら」という視点で書きます。ニュースの内容+自分の感想=これで体験談の代わりになります。

方法②:家族の話を使う
おじいちゃんから「昔は○○で苦労した」という話を聞いたことはないですか?祖父母世代の話は、高齢化・戦争・貧困など人権に関わるエピソードの宝庫だったりします。

方法③:本や映画からインスピレーションを得る
国語の授業で読んだ作品・図書館の本・映画のシーンでも「あ、これって人権問題だったんだ」と気づくことはよくあります。その気づきを書き出しに使えばOKです。


1日で仕上げる!時間配分プラン

「今日中に終わらせたい」という人向けに、具体的なスケジュールをご紹介します。

時間やること
0〜30分テーマ決め(3つの質問に答える)
30〜60分構成メモを作る(箇条書きでOK)
60〜150分下書きを書く(鉛筆で原稿用紙に)
150〜180分読み返し・清書

3時間あれば、1,200字の作文は十分仕上がります。ただし、スマホは電源オフか別の部屋に置くのが必須条件ですよ。私は昔、「5分だけSNSを見ようとした結果、1時間溶けた」という経験を何度もしているので…(笑)、これは本当に大事なポイントです。


「これは絶対NG」注意事項3つ

最後に、やりがちなミスを確認しておきましょう。

NG①:インターネットの文章をコピー&ペースト
法務省の公式サイトにも明記されていますが、他人の文章をそのまま使うことは認められていません。AIで生成した文章もNGです。バレた場合、評価対象外になることもあります。

NG②:「〇〇は悪いことです。やめましょう。」だけで終わる
結論が「悪いことはやめましょう」だけでは内容が薄く見えます。「なぜ悪いのか」「自分はどうしたいのか」まで書くことで作文としての深みが出ます。

NG③:難しい言葉を無理に使う
「人権侵害という観点から鑑みると…」のような難しすぎる表現は、かえって不自然です。中学生らしい、自分の言葉で書くのが一番伝わります。


まとめ|人権作文は「自分の気持ちの記録」

長々と読んでくれてありがとうございます。まとめると、人権作文で大切なことは3つです。

  1. テーマは「モヤっとした体験」から選ぶ(10分で決める)
  2. 5段構成テンプレートに沿って書く(考える時間を減らす)
  3. 「感情の変化」と「自分にできること」を盛り込む(先生の心に届く)

人権作文が難しく感じるのは、「正しいことを書かなければ」というプレッシャーのせいだと思います。でも実際は、あなたが感じたこと・考えたことを書けばいい、ただそれだけなんですよね。

今日中に書き終えて、残りの夏休みを思いっきり楽しんでください。きっと書けます!


参考:法務省 人権擁護局「人権作文の書き方」https://www.moj.go.jp/JINKEN/jinkensakubun_no_kakikata01.html

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