「会社を辞めたいけど、誰にどう伝えればいいんだろう…」

退職を決意したとき、多くの人が直面するのがこの悩みです。
実は、退職の伝え方一つで円満退社できるかどうかが大きく変わります。
同僚に先に話して上司の機嫌を損ねたり、SNSでトラブルになったり。

この記事では退職を伝える正しい順序と注意点を具体的に解説します。

なぜ退職は「周囲に言うな」と言われるのか

退職に関する情報は、想像以上にデリケートなものです。
安易に周囲へ話すと、思わぬトラブルを招くことがあります。

情報が先走ることで起きる問題

仲の良い同僚に「実は来月辞めるんだ」と打ち明けたとします。
その同僚は悪気なく別の人に話し、気づけば上司の耳に入っている――こんな事態は珍しくありません。

上司からすれば「部下から直接聞く前に噂で知った」という状況になり、信頼関係に傷がつきます。
ある知人は、仲の良い同期に退職相談をしたところ話が部署内に広まり、正式な退職届を出す前に上司から呼び出される事態に。

結果として「報告の順序を守れない人間」という印象を持たれ、退職までの期間が非常に気まずいものになったそうです。

退職の情報は想像以上に早く広まります。信頼できる相手でも、社内の人間には話さないのが鉄則です。

引き止めや妨害を受けるリスク

退職の意思が早く知れ渡ると、様々な方向から引き止めにあう可能性があります。
上司だけでなく、先輩や他部署の人からも「もう少し考え直せ」と言われ続けると、精神的に疲弊してしまいます。

さらに悪質なケースでは、退職を阻止しようと仕事を増やされたり、重要なプロジェクトに急に配置されたりすることも。
退職することが知れ渡ると、周囲の態度も微妙に変わります。
「もう辞める人だから」と重要な仕事から外されたり、逆に引き継ぎ以外の業務を押し付けられたりすることもあるのです。

退職を伝える正しい順序

退職の報告には、必ず守るべき順序があります。
この順序を間違えると、円満退社が難しくなります。

順番伝える相手タイミング注意点
1直属の上司退職希望日の1〜3ヶ月前就業規則を確認し、余裕を持って
2人事部門上司との話し合い後退職届の提出と手続きの確認
3同じチームのメンバー正式に退職が決定してから引き継ぎの準備を始める段階で
4他部署の関係者退職日の2週間〜1ヶ月前業務上関わりのある人に限定
5社外の取引先退職日の1〜2週間前後任者の紹介を含めて

最初に伝えるべきは直属の上司

退職の意思を最初に伝えるべき相手は、必ず直属の上司です。
これは社会人としての基本的なマナーであり、組織のルールでもあります。

上司に伝える際は、必ずアポイントを取って個室で話すようにしましょう。
「少しお時間をいただけますか」と声をかけ、会議室などプライバシーが保たれる場所を選びます。
伝える内容は簡潔に。

「一身上の都合により、○月末で退職させていただきたいと考えています」

という形で、まずは退職の意思を明確に伝えることが大切です。

飲み会の席や廊下での立ち話など、カジュアルな場面で伝えるのはNG。
必ずフォーマルな場を設定しましょう。

同僚への報告は正式決定後に

多くの人が失敗するのがこのタイミングです。
仲の良い同僚だからといって、上司より先に話してしまうのは絶対にNGです。

正式に退職が決まり、上司から「チームに共有していい」と許可が出てから伝えるようにしましょう。
そのタイミングは、通常は退職届が受理されてからになります。
同僚への伝え方は簡潔に。

「実は○月末で退職することになりました。これまでいろいろとありがとうございました。最後まで引き継ぎはしっかりやらせていただきますので、よろしくお願いします」

このように、事実を伝え、感謝の気持ちと今後の対応を添えることで、良好な関係を保つことができます。

絶対に避けるべき3つのNG行動

退職時のトラブルを避けるために、以下の行動は絶対に避けましょう。

❌ NG行動1:SNSでの公表

「退職しました!新しいスタートです!」とSNSに投稿したくなる気持ちはわかります。しかし、SNSへの投稿は最も注意が必要です。

SNS投稿が危険な理由

  • 会社の就業規則で禁止されている場合がある
  • 取引先や顧客が見て会社に問い合わせが来る
  • 社内の人間関係に悪影響を与える
  • 会社の評判を傷つける可能性がある

SNSで退職を公表するのは、退職日当日か、完全に退職してからにしましょう。
在職中の投稿は控えるのが賢明です。

SNS投稿のタイミング

✅ 退職日当日の業務終了後
✅ 完全に退職してから数日後
❌ 退職を決めた直後
❌ 退職届を出した直後
❌ 在職中

❌ NG行動2:社内での愚痴や不満の吐露

退職が決まると、気持ちが緩んで「実はこの会社のここが嫌だった」「あの上司のせいで辞める」などと本音を漏らしてしまう人がいます。しかし、これは最後まで控えるべきです。

業界は意外と狭く、転職先で元同僚と再会することもあります。また、不満を口にすることで残された同僚のモチベーションを下げてしまう可能性もあります。たとえ退職理由が会社への不満であっても、表向きは前向きな理由を伝えるのが大人の対応です。

良い伝え方の例

  • 「新しい分野に挑戦したくて」
  • 「キャリアアップを目指して」
  • 「家庭の事情で」

悪い伝え方の例

  • 「給料が安すぎる」
  • 「上司と合わない」
  • 「この会社に未来がない」

❌ NG行動3:曖昧な態度での相談

「辞めようか迷ってるんだけど…」と同僚に相談するのは危険です。この段階では、あなた自身が決断していないため、相談相手もどう反応していいかわかりません。

さらに、その相談が噂として広まったときに「あの人、辞めるって言ってたけど結局辞めないんだ」と信用を失うリスクもあります。退職について相談したいときは、社外の信頼できる友人や家族、あるいはキャリアカウンセラーなど、職場と関係のない第三者に相談するのが安全です。

相談相手適切度理由
社外の友人・家族⭕️情報が漏れるリスクが低い
キャリアカウンセラー⭕️専門的なアドバイスがもらえる
転職エージェント⭕️守秘義務があり安心
社内の同僚情報が広まるリスクが高い
社内の先輩引き止めにあう可能性がある

円満退社のための具体的なコミュニケーション術

退職を円満に進めるためには、コミュニケーションの取り方が非常に重要です。

感謝の気持ちを忘れずに伝える

退職を伝える際は、必ず感謝の言葉を添えましょう。
「これまでご指導いただき、ありがとうございました」「この会社で学んだことは、次のステップでも活かしていきます」といった言葉は、相手の感情を和らげます。

たとえ不満があって退職する場合でも、少なくとも学んだことや成長できた点はあるはずです。
そこに焦点を当てて話すことで、ポジティブな印象を残せます。

感謝を伝えるポイント

・具体的なエピソードを添える
・相手の立場に立った言葉を選ぶ
・形式的でなく、心からの感謝を示す

感謝の言葉の例
  • 「○○プロジェクトでは、課長のアドバイスで本当に成長できました」
  • 「入社当初は右も左もわからない状態でしたが、皆さんに支えていただいて今の自分があります」

引き継ぎ計画を具体的に示す

退職を伝える際、「引き継ぎはしっかりします」という抽象的な言葉だけでは不十分です。実際にどのように引き継ぐのか、具体的なプランを示しましょう。

項目内容
業務マニュアル作成いつまでに、どの業務について作成するか
後任者との並走期間何週間、どのような形でサポートするか
取引先への紹介どの取引先に、いつ、どのように紹介するか
データ・資料の整理必要な情報をどこに、どう整理するか

「業務マニュアルを作成します」「後任の方と1ヶ月間並走します」「取引先へは私が直接後任を紹介します」など、具体的な行動を伝えることで、上司も安心できます。

柔軟性を持つ姿勢を見せる

退職日について、ある程度の柔軟性を持つことも円満退社のポイントです。
「○月末での退職を希望していますが、引き継ぎの状況によっては調整可能です」という姿勢を示すことで、会社側も協力的になりやすくなります。

ただし、転職先が決まっている場合は、入社日を変更できない旨を明確に伝えることも大切です。

「転職先の入社日が決まっているため、○月○日までの退職が必須なのですが、それまでの期間で最大限引き継ぎに努めます」

このように、制約がある中でも誠意を示す姿勢が重要です。

よくある失敗例と成功例

実際の退職時に起きたトラブルと、うまく円満退社できたケースを紹介します。

🔴 失敗例:SNS投稿で炎上したケース

IT企業で働いていたAさんは、転職先が決まった喜びをTwitterに投稿してしまいました。「ブラック企業とおさらば!来月から新しい会社で頑張ります!」という内容です。

この投稿が社内で話題になり、まだ退職を伝えていなかった上司の耳に入りました。
上司は「SNSで知った」という事実に激怒。
退職自体は認められましたが、最後の1ヶ月間は非常に気まずい雰囲気の中で過ごすことに。
さらに、その投稿を見た取引先から「担当者が辞めるなら契約を見直したい」と連絡が入り、会社に損害を与える結果になりました。

この例から学ぶこと
SNSは予想以上に多くの人が見ています。在職中の投稿は慎重に。特に会社を批判する内容は絶対にNG。

🟢 成功例:計画的に進めたケース

商社勤務のCさんは、退職の3ヶ月前に直属の上司にアポイントを取り、個室で退職の意思を伝えました。
その際、詳細な引き継ぎ計画書も用意していました。

Cさんが用意した引き継ぎ計画書の内容

  • 業務マニュアルの作成スケジュール
  • 後任者への教育期間(3週間)
  • 取引先への挨拶スケジュール
  • 重要案件の進捗状況と対応方法

具体的な計画を示したことで、上司も安心して退職を承諾。
Cさんは計画通りに引き継ぎを進め、最終日には部署全体から感謝の言葉をもらえたそうです。
退職後も元上司とは良好な関係を維持しており、時々ビジネスの相談をする仲だと言います。

この例から学ぶこと
具体的な計画を示すことで、会社側の不安を取り除くことができます。準備が円満退社の鍵です。

まとめ:退職は最後まで誠実に

退職は、その会社での最後の仕事です。
どんなに優秀な仕事をしていても、退職時の対応が悪ければ、それまでの評価が台無しになってしまいます。

逆に、誠実に最後まで責任を果たせば、退職後も良好な関係を保つことができ、将来的にビジネスパートナーとして再会することもあります。
実際、前職の上司や同僚が、転職後の貴重なビジネス人脈になることも少なくありません。

退職を伝える際の5つの鉄則

鉄則内容
1最初に伝えるのは必ず直属の上司
2正式決定前に同僚や社外に漏らさない
3SNSでの発信は退職後まで我慢
4感謝の気持ちと具体的な引き継ぎ計画を示す
5最後まで誠実に、責任を持って業務を遂行

円満退社がもたらすメリット

円満に退社することで、以下のようなメリットがあります。

✅ 退職後も続く良好な人間関係
前職の人脈は、将来的に大きな財産になります。業界内での評判も保たれます。

✅ 安心して次のステップへ進める
後ろめたさなく、清々しい気持ちで新しい環境に飛び込めます。

✅ 退職金や推薦状への影響
誠実な対応は、退職時の待遇にも良い影響を与えることがあります。

✅ 自分自身の成長
最後まで責任を果たすことで、社会人としての自信がつきます。

退職は人生の大きな転機です。
これまでお世話になった人たちへの感謝を忘れず、最後まで責任を持って業務を遂行することで、自信を持って次のステップへ進んでいきましょう。
あなたの退職が、新しいキャリアへの素晴らしいスタートになることを願っています。


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