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ひとりメシの美学 #03 コンビニおにぎり

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午後3時。ランチから時間が経って、お腹がちょっと寂しくなってきた。

でも、がっつり食べるほどでもない。

こういう時こそ、コンビニおにぎりの出番ね。

オフィスを出て、角のコンビニへ。自動ドアが開く。冷房の冷たい空気が、心地いい。外の暑さから解放される瞬間。

店内に入ると、いつもの景色。お弁当コーナー、飲み物の棚、そして…あった。おにぎりコーナー。

第一章:選択という名の至福

おにぎりコーナーの前に立つ。

ずらりと並ぶ、三角形の仲間たち。この光景、何度見てもワクワクする。まるで宝石箱を覗いているみたい。

定番の鮭、ツナマヨ、梅干し。新商品の文字が踊るパッケージ。期間限定のフレーバー。

選択肢が多すぎて、迷う…。

でも、この迷う時間が好きなの。

手に取っては戻し、また別のを手に取る。パッケージを眺めて、想像する。この中身はどんな味だろう。どんな具材が入っているんだろう。

鮭は安定の美味しさよね。でも、昨日も食べたような…。

ツナマヨは、間違いない。この安心感。でも、カロリーが気になる。いや、今日くらい気にしなくていいか。

明太子も捨てがたい。あのピリッとした辛さ、たまらない。

新商品の「炙りチャーシューマヨ」も気になる。冒険してみる?

今日の気分は…ツナマヨかな。

いや、待って。明太子も捨てがたい。

…悩む。

鏡越しに、自分が真剣な顔でおにぎりを選んでる姿が見えた。ちょっと笑える。でも、これが楽しいの。

結局、両方買っちゃう。こういう時、一人って最高。誰にも遠慮しなくていい。好きなだけ買える。「二個も食べるの?」なんて言われない。

飲み物も選ぶ。お茶にしようかな。いや、今日はコーヒーの気分。

レジに向かう。お会計を済ませて、袋を受け取る。この軽い重さが、なんだか嬉しい。

第二章:公園という選択

オフィスに戻る?

いや、今日はちょっと外で食べたい気分。

近くの公園に向かう。木々に囲まれた、小さな公園。ベンチがいくつかある。

平日の午後3時。人はほとんどいない。静か。

木陰のベンチを見つける。ここにしよう。

座る。風が心地いい。木々が揺れる音。鳥のさえずり。

こういう時間、大切にしたい。

袋からおにぎりを取り出す。まずはツナマヨから。

第三章:開封の儀式

フィルムを見る。開け方の説明が書いてある。

「1」「2」「3」の順番。この丁寧な説明、好き。まるで説明書みたい。

こんな小さなおにぎりにも、開け方の工夫がある。誰が考えたんだろう、この仕組み。天才よね。

「1」のシールを引っ張る。

ピリッ。

この音が、始まりの合図。フィルムが縦に裂けていく。ゆっくりと、丁寧に。急いじゃダメ。このプロセスを楽しまなきゃ。

フィルムが二つに分かれる。左手で持って、右手で引っ張る。

フィルムと海苔が分離していく。この瞬間の仕組み、何度見ても不思議。

海苔だけが残る。パリパリの、新鮮な海苔。

次は「2」。海苔を広げる準備。

フィルムを引っ張ると、海苔が開く。まるで、扇子を開くみたいに。

そして最後の「3」。おにぎりに海苔を巻く。

パリパリの海苔が、白いご飯を包んでいく。まるでドレスを着せているみたい。ご飯が、今、完成形になっていく。

完成。

手のひらに収まる、完璧な三角形。

第四章:最初の一口

おにぎりを持ち上げる。その重みが、ちょうどいい。軽すぎず、重すぎず。

海苔の黒と、ご飯の白。そして、中に隠れたツナマヨのオレンジ。この色合いって、なんだか美しい。

鼻を近づける。ほのかに香る海苔の磯の香り。ご飯の優しい匂い。

さあ、いただきます。

かぶりつく。

ん…。

まず感じるのは、海苔のパリパリ感。この歯触りがたまらない。噛むとサクッと音がする。この音、好き。

そして、ご飯。ふっくらと炊かれたお米が、口の中でほろほろとほぐれていく。一粒一粒が、ちゃんと存在を主張している。

コンビニのおにぎりって、すごいわね。どこで買っても、安定した美味しさ。

そこに現れる、ツナマヨ。

ああ…これよ。

ツナのほぐれた食感と、マヨネーズのまろやかさ。この組み合わせは、もう反則級。シンプルなのに、完璧。何度食べても、飽きない。

ツナマヨとご飯が混ざって、口の中でハーモニーを奏でる。そこに海苔の風味が加わって、三位一体。これが、コンビニおにぎりの魔法。

第五章:食べ進める幸せ

二口目、三口目。

食べ進めるごとに、具材の配分が変わる。ご飯だけの部分、ツナマヨたっぷりの部分。この変化が、また楽しい。まるで物語を読んでいるみたい。

おにぎりって、不思議。

こんなにシンプルなのに、こんなに美味しい。ご飯と具材と海苔。それだけなのに、完璧なバランス。

日本人の知恵よね、おにぎりって。

持ち運べて、手で食べられて、どこでも食べられる。完璧なファストフード。

でも、ファストフードって呼ぶのは、ちょっと違う気がする。もっと、ソウルフードに近い。

手のひらに残るご飯粒。海苔の破片。これも含めて、おにぎりの魅力よね。

最後の一口。ちょっと寂しい。もう終わっちゃう。

でも、まだ明太子がある…!

第六章:二個目の喜び

明太子おにぎりを取り出す。

同じように、フィルムを開ける。この作業、何度やっても楽しい。まるで小さなパズルを解いているみたい。

「1」「2」「3」。丁寧に、慎重に。

海苔を巻く。

今度は明太子ね。

一口。

お…!

明太子の粒々感が、舌の上で弾ける。ポツポツという食感。ピリッとした辛さが、口の中に広がる。この刺激、いい。目が覚める感じ。

ツナマヨとは全然違う味わい。でも、どちらも美味しい。こういう風に、違う味を楽しめるのが、二個買いの醍醐味。

明太子とご飯の相性。これも、日本人のDNAに刻まれた組み合わせよね。ご飯が明太子の辛さを和らげて、明太子がご飯の甘みを引き立てる。

白いご飯に、ピンク色の明太子。見た目も綺麗。

公園の木々が風に揺れる。葉っぱが擦れ合う音。鳥の声が聞こえる。遠くから、子供の笑い声。

このゆったりとした時間。おにぎりを食べながら、何も考えない時間。

これが、私の贅沢。

終章:満たされた午後

二つのおにぎりを完食。

手についたご飯粒を、ティッシュで拭く。フィルムをくしゃくしゃっと丸めて、袋に入れる。

コーヒーを一口。この苦味が、おにぎりの後味を締めてくれる。

お腹が、ちょうどよく満たされた。

がっつり食べたわけじゃないけど、この満足感。コンビニおにぎり、侮れない。

110円とか150円とか。そんな値段で、こんなに幸せをくれる。

手軽さ、美味しさ、バリエーション。全部揃ってる。

そして、何より。どこにでもある。いつでも買える。

この安心感も、コンビニおにぎりの魅力なのかもしれない。

ベンチから立ち上がる。さあ、午後の仕事に戻ろう。

このおにぎりが、私に力をくれたから。エネルギーをくれたから。

空を見上げる。青い空に、白い雲。風が気持ちいい。

また明日も、コンビニに寄ろう。

違う味で、また小さな幸せを見つけよう。

コンビニおにぎり、ありがとう。

また明日も、あなたに会いに行くわ。


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