正直に言います。私が初めてエギングに挑戦したのは、友人に「秋なら初心者でも釣れるから」と半ば騙されたようなかたちでした。道具は借りもので、操作も「なんとなくシャクる」という感じ。それでも夜の漁港で、ラインにグッと重みが乗った瞬間のことは今でも鮮明に覚えています。

「あ、イカがいる。」

その感触と、薄暗い海面から浮かび上がってきたアオリイカを見たときの興奮は、言葉では正直伝えにくいんです。でも、あの体験があったから今でもエギングを続けているわけです。

この記事では、エギングを「やってみたいけど何から始めれば?」と思っている方に向けて、魅力と始め方を正直にお伝えします。できるだけ「あるあるの失敗」も含めて書きましたので、ぜひ最後まで読んでいってください。


エギングとは?|釣り入門に最適な3つの理由

仕掛けがシンプル。それが最大の武器

エギングとは、「エギ(餌木)」と呼ばれるエビに似た形の疑似餌(ルアー)を使い、主にアオリイカを狙うルアーフィッシングです。魚のルアー釣りとの大きな違いは、エギを「しゃくる(ロッドを上下に動かす)」ことでイカの捕食本能を刺激するアクションにあります。

必要な道具はロッド・リール・ライン・エギの4つだけ。餌釣りのようにバケツや、虫エサを触る必要もありません。「虫が苦手だから釣りを敬遠していた」という人には、実はエギングはかなり向いているんですよ。

堤防・漁港・磯・サーフ。フィールドを選ばない

エギングができる場所は、日本全国の沿岸部ならどこでもほぼOKです。高い装備がなくても、近所の漁港や堤防から気軽にスタートできます。ボートや遊漁船に乗らなくていいというのは、初心者にとっては非常に大きなメリットでしょう。

釣ったあとが美味しい

アオリイカは「イカの王様」とも呼ばれるほど食味がよく、新鮮なものを刺身にすると甘みが強くてコリコリした食感がたまらない。釣った当日の夜、自分で捌いたアオリイカを食べたときの達成感は、スーパーのイカとは比べ物にならないんですよね。「釣って楽しく、食べて美味しい」というのがエギングの大きな魅力です。


エギング初心者が知るべき「釣れる時期」の話

秋がいちばんのチャンス。その理由

エギングで初心者が最も釣果を出しやすい時期は**秋(9〜11月)**です。なぜかというと、春に孵化した「新子(しんこ)」と呼ばれる若いアオリイカが成長して数多く接岸してくるからなんですね。サイズは胴体10〜15cmほどと小さめですが、活性が高く、ルアーへの反応も素直。実際、私が初めて釣れたのも10月の夜でした。

  • 9〜10月: 数が多く、釣りやすい。初心者の入門にベスト
  • 11月: 個体が成長してサイズアップ。釣り応えが出てくる
  • 3〜6月(春): 1kgを超える大型の「親イカ」が狙える。難易度はやや高め

ちなみに秋エギングでは2.5〜3号のエギが標準です。春の大型狙いになると3.5〜4号を使います。最初は3号のエギを数本揃えておくのが無難ですよ。

「冬は釣れない」はホント?

これはほぼ本当です。アオリイカは水温が低下する12〜2月ごろに極端に釣りにくくなります。とはいえゼロではないので、冬は近場の根魚(カサゴ・ソイなど)を楽しみながら春エギングへの体力を温存する、という使い方をしている人も多いですね。


初心者が揃えるべきタックル一覧と費用の目安

「釣具屋に行ったら値段が高くてビビった」という声、よく聞きます。正直わかります。でも、エギングはそこまで高い道具を最初から買わなくていいんです。

必要なタックルと予算感

アイテム推奨スペック予算の目安
エギングロッド8〜8.6フィート、ML〜Mクラス8,000〜20,000円
スピニングリール2500〜3000番5,000〜15,000円
PEライン0.6〜0.8号(150m)1,500〜3,000円
ショックリーダーフロロカーボン 2.5〜3号500〜1,000円
エギ(餌木)3号を中心に3〜5本1,500〜4,000円
合計約1.7〜4.5万円

「ロッドとリールで10万円以上する商品もあるじゃないか」と思うかもしれませんが、初心者に高級タックルは正直必要ありません。シマノの「セフィアBB」(ロッド・リールどちらも展開)や、ダイワの「エメラルダスX」あたりが、コスパと性能のバランスが取れたエントリーモデルとして定番です。私も最初はセフィアBBのロッドとリールのセットで始めましたが、1年以上問題なく使えました。

ライン周りは最初の難関

ちょっと正直に言いますと、最初に私が一番困ったのがここでした。PEラインとショックリーダーの結び方(FGノット)です。「ラインシステムを組む」という作業なのですが、動画を見ながら30分格闘してやっと結べた…という経験が最初の釣行の前夜にありまして。結局、慌てて釣具屋に持ち込んで店員さんに頼みました(笑)。

最初のうちは、釣具屋で巻いてもらうか、ロッドとリールがセットになった初心者向けスターターパックを選ぶのが現実的です。「簡単ではないけど、2〜3回練習すればできる」という作業なので、焦らないでください。

エギングを始めるにあたって、どんな道具を揃えればいいか迷う方も多いはず。初心者向けのおすすめタックルをまとめた記事も参考にしてみてください。
【2025年最新】エギングのおすすめタックル紹介!初心者でも失敗しない選び方ガイド


エギングの基本の釣り方|「しゃくり」と「フォール」の話

イカを釣るのは「しゃくり」じゃなくて「フォール」

ここ、競合のほとんどの記事が触れているのに、なぜか薄くなりがちなポイントなんです。実は、アオリイカがエギに抱きついてくるのは「フォール中(エギが沈んでいる最中)」がほとんどです。

基本の流れはこうなります。

  1. エギをキャストして着水させる
  2. 着底するまで待つ(PEラインのたるみが消えたら着底のサイン)
  3. ロッドを2〜3回シャクってエギをダート(跳ね回らせる)させる
  4. ラインにテンションをかけながらフォール(沈ませる)させる
  5. アタリ(ラインがビクッと引っ張られる)があれば合わせを入れる

最初に私がやりがちだった失敗は、「シャクりすぎ」でした。ガンガンしゃくり続けていたせいで、肝心のフォール中にラインがたるんでしまい、アタリを全部見逃していたんです。「もしかしてさっきの違和感がアタリだった?」と気付いたのは、3回目の釣行のこと。焦らずゆっくりフォールさせることが、実は最大のコツなんですよ。

ワンピッチジャークとダートアクション

基本的なシャクりは「ワンピッチジャーク」です。リールを1回巻くごとにロッドを1回しゃくる動作で、エギを縦横に激しくダートさせます。最初は難しく感じますが、やってみると案外リズムが掴みやすい。「ズンタタ、ズンタタ」というリズムで身体が覚えていく感じです。


初心者が最初に行くべきポイントの選び方

漁港・堤防からスタートが正解

磯や砂浜は足元が不安定で危険なうえ、釣れるポイントを見つけるのに経験が必要です。最初のうちは漁港や堤防から始めるのが無難です。

狙い目の条件(3つに絞ります):

  • 常夜灯(明かり)の近く: 夜になると光に引き寄せられた小魚にアオリイカが集まります。漁港の常夜灯まわりは初心者の聖地といえるでしょう
  • 藻場(海藻が生えている場所): アオリイカは産卵・隠れ場所として藻場を好みます。特に春の親イカ狙いでは必須のポイント
  • 潮が動いている時間帯: 満潮・干潮の前後1〜2時間が特に活性が高くなります。釣果情報アプリや潮見表をあらかじめチェックしておくと◎

ちなみに私がはじめて釣れた漁港は、常夜灯の真下でした。水中がうっすら見える透明度の高い海で、エギの下に何かがゆーっくりついてくるのが見えた瞬間、「あ!来た!」と声に出してしまいました。同行した友人が「もう少し静かにして」と苦笑していたのは今でもいい思い出です。

釣り禁止エリアに注意

残念ながら、釣りブームの影響でゴミ問題などにより立入禁止になっている漁港も増えています。現地に行く前に、各都道府県や漁協の情報を必ず確認しましょう。地元の釣具屋で「どこで釣れる?」と聞くのも実は一番確実な情報収集方法です。

エギングに慣れてきたら、実際の釣り場選びも大事なポイント。新潟でアオリイカを狙いたい方向けに、おすすめポイントをまとめた記事もあります。
新潟アオリイカ釣りポイント完全ガイド|初心者でも釣れる時期と釣り方のコツ


初心者がやりがちな5つのミス|実体験を添えて

❶ エギを着底させずにシャクる

「投げたらすぐシャクればいいや」は大きな勘違いです。エギが着底する前にシャクると、イカがいないレンジ(水深)でエギが動いているだけになります。着底の確認は必須です。

❷ シャクりが強すぎ・速すぎ

力いっぱいシャクるのは初心者あるある。実際、私も最初は腕が翌日筋肉痛になるほどシャクっていました(笑)。適切なシャクりは「肘を使った、柔らかいスナップ」です。腕全体を振り回す必要はまったくありません。

❸ フォール中にラインを引っ張る

フォールの途中でリールを巻いてしまうのも要注意。イカが抱いた瞬間にエギを動かしてしまい、バラシ(逃がす)の原因になります。ラインにテンションだけかけて、じっと待つのがコツです。

❹ 同じ色のエギを使い続ける

「高いエギをひとつ買えばいい」という発想は逆効果のことも。アオリイカはエギを「見切る」生き物です。30分以上反応がなければカラーチェンジを試みましょう。目安は「ナチュラル系(オレンジ・茶)→アピール系(赤・ピンク)→グロー系(夜光)」のローテーションです。

❺ 合わせが遅すぎ、または早すぎ

「アタリがあった!」と焦って思いっきりロッドを立てると、イカのやわらかい足がちぎれてしまうことがあります。合わせは「ロッドをゆっくり立てながらリールを巻く」程度で十分です。魚のように大きく合わせる必要はありません。


エギングを始めて「よかった」と思う瞬間

エギングを続けていると、釣果以上のものが得られます。早朝の漁港で、だんだん明るくなっていく海を眺めながらラインを眺める時間。夜の堤防で、常夜灯に集まる小魚を見ているとき。どちらも「ああ、生きているな」という感覚がしてくるんですよね。

釣れなかった日でも、なぜか悪い気分にならないのがエギングの不思議なところでもあります。アオリイカが気まぐれな生き物なこともあって、「今日はイカが来なかっただけ」と自然に思えるというか。そのくらい、海に立っているだけで満足できる釣りなんです。

釣れたときの喜びは格別です。エギングにハマる人の多くが「最初の1杯が忘れられない」と言いますが、これは本当のことです。


まとめ|最初の一歩は「秋・漁港・3号エギ」から

この記事で伝えたかったことを最後にまとめます。

  • エギングは道具4点だけで始められる、コスパのいい釣り
  • 入門シーズンは秋(9〜11月)。新子イカが多く、初心者でも釣りやすい
  • 予算は1.7〜4.5万円あれば一式揃う。高級タックルは最初は不要
  • 釣るコツは「シャクり」より「フォール」にある
  • 最初のポイントは漁港・堤防の常夜灯まわりが無難
  • 失敗して当然。着底確認・カラーチェンジ・フォール待ちを意識するだけで変わる

「うまくいくかな…」と不安になるのは当然のことです。でも、エギングは意外と「何も釣れなかった日」も楽しいんですよ。海の空気、潮の匂い、ラインを張る緊張感——それだけで十分な釣りです。

ぜひ、今年の秋に一度、漁港に足を運んでみてください。